新型コロナウイルスとSCM

先週は、マニラにいる知人より『工場が止まった』と言う連絡が有りました。日系企業ですが、ローカルメンバーの人員確保が難しくなったようです。新聞紙上でもマニラ・マカティの閑散とした記事が有りました。このブログの開始当初は中国のサプライチェーンの話題から開始したのですが、いよいよ世界のサプライチェーンの分断になってしまいました。その中で、今週気になった記事が有りました。『サムソンのベトナム依存で打撃』という記事です。なんと、ベトナムの入国規制のためサムソン、現代自動車など韓国を代表する企業の稼働に打撃ということなのです。新製品立ち上げに、韓国からの社員の入国規制のため、新製品の立ち上げができないという、事のようです。サプライチェーンのリスク管理のため、一国集中でないのに関わらず、大きな打撃が出るという事なのです。

 この現象は、サプライチェーンをどのレベルで守るかという、程度問題を重要案件ではしっかりと決めておく必要が有るという事なのでしょう。簡単にこの『程度の指標』を作るとすれば、影響を持ちこたえる日数でしょうか。例えば1週間大丈夫なサプライチェーンを構築するには、このルート。1ヶ月ならばこのルート。そして重要なのが、その時々の投資予想はこの程度と想定をして、サプライチェーンを作り上げておく、ということです。また、作り上げておくのにも、時間と労力がかかりますね。

 それと、今朝の日経新聞の記事に、新幹線を活用する宅配新幹線が年内に出発する、の記事が有りました。此れも新しいサプラチェーンの一環ですね。昔から鉄道輸送は、今よりも大きな役割を果たしていましたが、いつの間にか廃れていました。新幹線の高速輸送は、もっと大々的また、より機能的に発展すれば、良いかと思います。新幹線用の車両が、工場や市場や、産物の集積場に並んでいるような。そしてそこに自動運転のロボットがクレーンで運び入れる、イメージです。それと川の輸送も今では殆ど活用されていませんが、川上にある産業(昔では木材輸送)への活用、海と川をつないだ物流網のアイデアなど、サプライチェーンの拡大また、リスク管理での活用など、話題が広がってきます。

 連日のコロナウイルスの話題ばかりですが、その中でも新しい芽吹きを少しでも感じていきたいです。無観客での大相撲の春場所は、白鵬の44度目に勝利で終わりました。お相撲さんはじめ関係者の皆様もお疲れ様でした。次回の夏場所はどうなっていることやら・・・。大きな歓声とともに千秋楽を味わいたいですね。