ギデオン・ラックマン氏の論説記事が面白かったので紹介します。論旨は、英国のEU離脱は、西側諸国の同盟の弱体化どころか強化に繋がるかもしれない、これは、欧米の再結束に繋がり対ロシア・中国と対抗する自由主義諸国の結束に繋がる、という見方だ。日本いては英国の動向はなかなか計り知れないところですが、中国の海洋進出にともなう、旧英国連邦の結束もあり、中国という新興な協力な勢力がある御陰か(?)対抗馬としての自由主義諸国の結束が計られるという、考えてみれば当たり前ながら、なかなか気がつかなかった論説でした。それと、英国とEUの関係は、カナダと米国の関係に似てくるという、解説も解りやすかった。
コロナ下に有りながら、中国は既に経済的な立ち直りが早く、当てにはならないかもしれませんが、統計数字でもまた、中国市場相手の日系企業の業績も回復基調になっています。こうした中での、対中国包囲網は、先ほどの英国・英国連邦諸国のインド・オーストラリア・カナダ・ニュージーランドとEU,米国が一体となって協力する可能性が出てきました。香港問題を皮切りに一気に政情が動く可能性もあり、目のはなせない状況です。また、一方で中国の途上国向け(68カ国に及ぶ)対外債務が膨張しているようです。膨張に度合いは、2018年末までの4年で2倍の10.7兆円で世界銀行とほぼ同じレベルまで達している。2018年の既に古い数字ながら、この実態が明らかになったには、コロナの御陰だそうな。債務危機に陥り医療予算の減少で、コロナ対策ができないのでは困るので、実態把握が必要になったからだ、とのこと。2020年では、多分膨張し続けているから、少なくともこうした世界の68カ国は中国賛成の立場になる訳です。GDP比率の高い国順でベスト5は、ジブチ、ラオス、トンガ、キリギス、サモアです。ジブチはなんとGDPの4割がこの中国からの借金なのです。サモアで20%程度。それぞれの国が、物流の要所・海洋進出の拠点など中国国益に絡む国々と言って良いでしょうし、日本にとっては脅威になります。ジブチは知りませんでしたがソマリアの隣の国で、黄海の一番細くなっている所のアフリカ側の国です。ラオスは中国の隣国。サモア・トンガは、海洋進出上の拠点でしょうか。キリギスは対ロシアの布石かな。
これから先の世界動向は、中国経済の安定および、EU圏と米国圏の経済立ち直りのスピード。政治的または軍事的には自由主義圏及び中国共産党及び周りの諸外国のせめぎ合い。
今回のコロナ被災は、リーマンショック並みと言われて言いますが、日本では、バブル崩壊後でもリーマンショック以降での20年とか30年とかの空白時代とならないように、立ち直れば良いですね。