原材料高騰時の対応

久しぶりに調達の話題です。

日本の消費者物価が上昇し、原材料コストが部分的ではありますが高騰しています。特に、新型コロナ世界的蔓延による既存のサプライチェーンの崩壊。ロシアのウクライナ侵攻に伴う、ロシア産原材料の西側の貿易制裁の影響が主たる原因と考えられます。そして、コロナの影響として中国市況の低迷も大きく関わってきています。また、円安の影響は最近の状況として、輸入品のコスト高に影響しています。産業別に言えばこうした影響は、原材料の種類によって大きく、その影響度が変わってくるのは、いうまでもありません。そして、一般企業に比べ、一般的な消費者物価指数に影響の出るのは、遅行の経済指標なので、それぞれの市民の感じる感覚とはどうしてもズレてしまいます。まして、給与のベースアップは、年1回の交渉後ですので今年の春以降になります。

 こうした時期の購買担当者は、サプライヤーからのコストアップ要求に対して、どのように対応することが、購買の業務として「真」なのでしょうか?

まず、サプライヤーによって対応方法が色々あります。

高飛車の例から、

1.コストアップは、当然のこととして通達し、コスト変更リスト、変更時期など一方的に提示してくるサプライヤー。

2.交渉の余地を残しながら、提示をしてくる場合。これには、どうせネゴされるからと、コストアップ分を予め高めに設定してくる場合。生産からのコストアップをそのまま提示してくる場合。・・窓口の意思もなく、ただ仕事を右から左へ流してくる場合など。

3.コストアップの内容をそれなりに検討して、コストアップ依頼にくる場合。

など、あります。

ここで、まず気をつけて頂きたいのが、こうしたサプライヤーの提示方法にてサプライヤー評価の大きな情報源になることです。上記の1のようなサプライヤーは、売り手市場の材料ならばありがちなサプライヤーですが、運命共同体としてのサプライヤー、サプライチェーンの一角を担って頂くサプライヤーとしては、失格ではないでしょうか?一緒にどうしたらコスチアップ分を縮小できる方法があるか?を検討する余地があるはずだと考えるからです。こうした活動は、こうしたコストアップの局面では、いい機会になるはずですが、基本的には、日々の取引の中で、改善を進めていく、コストダウン活動を進めていくべきことです。

 新型コロナの影響、ロシアの侵攻また、自然災害含め全く予想のつかない大きな事件、事故が発生します。指針となる調達方針は、揺らぐことなく進めるよう日々の活動に生かしていきましょう。中国サプライヤーの縮小路線は重要なことだと考えます。